日本の賃金水準は30年間ほとんど横ばいです。
後進国だと思っていた韓国にもとっくに抜かれています。
本来は景気浮揚によって賃上げを後押しすべきなのですが、この国では社会保険の高騰に加え、課税強化に余念がなく、さらには消費税率引き上げを画策するなど、消費を抑え、景気を冷え込ませる施策に振り切っております。
他方で賃金引上げが課題だという認識はあり、検討使と揶揄されるポンコツ総理も「賃上げ、賃上げ」と呪文を唱えております。
そこで、その意向を受けた経済産業省が推し進めるのが、補助金をエサに賃金引き上げを促す動きです。
要するに、補助金ほしい人は賃金水準を上げろ~、という施策です。
景気改善策はやりません、増税はやります。だけど、補助金を出してあげる代わりに賃金を上げなさいよ、という方針です。
例えば、有名なものづくり補助金では、従前、給与支給額の引き上げが加点要素でした。
それが現在は応募の前提条件に引き上げられています。
2023年春時点では、小規模事業者持続化補助金において、賃金引上げが補助金枠の拡大という扱いになっています。
小規模事業者持続化補助金は、従業員をもたないような、ごく小規模な事業者にも広く門戸を開いた補助金なので、賃金引上げが応募条件に格上げされることはないと思いますが、近い将来、このあたりの見直しがされて、「そもそも従業員がいないような小規模事業者を補助する必要はない」という方向に舵が切られることも想定しておくべきでしょう。